■日本ハムの中華名菜・『酢豚』/開発の舞台裏
落第「酢豚」が、トップになった訳とは?
「ピーマンがあればすぐできる」(青椒肉絲/チンジャオロース) 「玉ねぎがあればす
ぐできる」(エビチリ)・・・ 共働き増加による調理の簡略化や味の本格志向など、
時代のニーズにマッチ。パッケージのフレーズはお客様の心をがっちりとつかみ、
いまや15種類のアイテムを持つ人気シリーズ・中華名菜である。
最初のラインナップに加わる予定だったにもかかわらず、技術的な問題で見送り
となっていたひとつの商品―家庭で作るには手間がかかるが、中華では抜群の
人気を誇る「酢豚」があった。
唐揚げに使用する豚肉の選定に始まり、部位、大きさ、肉の繊維に対して入れる
包丁の向き。野菜の種類、大きさ。味の決め手となる甘酢ソースの酸味と甘みのバ
ランス・・・。こだわるべき点、クリアすべき点は無数にあった。しかし何よりの難関
は、唐揚げの「衣」であった。
ソースの旨みをまとうはずの衣が、調理時にどうしてもはがれてしまう―見送りの
原因がそこにあった。
開発担当は、衣に関するすべてを一から見直し始めた。
使用する粉の種類、粉と水の配合、揚げ油の温度、調理法など、細部にまで徹底し
て研究を重ねる。数えきれないほど試作品を作り、まさに千辛万苦の日々。その末
にようやく、肉からはがれず、味、食感ともに満足のいく衣にたどり着いた。そして
開発開始から半年後の94年9月、ついに発売へ。
遅れて登場した「酢豚」は、すぐに人気メニューとなり、中華名菜全体の売り上げを
牽引する原動力となった。発売から約10年の現在では、中華名菜は200億円を売り
上げ、チルド中華惣菜のシェアの90%を獲得。そして1年遅れの“落第生”は、シリ
ーズの中でも、常にトップクラスの成績を誇る“優等生”となっている。
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