■茶の湯を始めてみよう。 ※茶の湯はじむ(U)は、⇒こちらへ ・・・モリ・ダイニング・サプライ編
お茶会に行く前に(その1)
「お茶会」とは、たくさんの人が集まってお茶を飲むことだ。
その前にお茶のこと、簡単に知っておこう。
●煎茶/私たちが毎日飲んでるお茶。緑茶の一種で、お茶の葉を蒸して乾燥したもの。
番茶やほうじ茶もあるけどこれも緑茶の仲間で、煎茶とは作り方が違う。
「緑茶」のつくり方は、茶の木の葉や芽を蒸気で蒸して加熱する。加熱することで
お茶が緑色を保ち、次にもみながら乾燥させていく。摘んだ芽や葉はそのままにして
おくと、しおれ、色もどんどん褐色になる。これを「発酵」というが、緑茶は葉がまだ
発酵していないものを使い、半分発酵させたものがウーロン茶で、完全に発酵させた
ものが紅茶というワケだ。
《日本のお茶の産地》
狭山茶(埼玉県)、足柄茶(神奈川県)、静岡茶(静岡県)、三河茶(愛知県)、
白川茶(岐阜県)、伊勢茶(三重県)、土山茶・信楽茶(滋賀県)、大和茶(奈良県)、
宇治茶(京都府)、八女茶(福岡県)、嬉野茶(佐賀県)、青柳茶(熊本県)、
都城茶(宮崎県)、知覧茶(鹿児島県)
※嬉野茶・青柳茶は、中国と同じ釜炒り茶。
※温暖で雨が多く、しかも排水が良い台地や丘陵地が栽培に適している。
●抹茶/茶の湯に使うお茶は特別につくられ「抹茶」という。芽や葉を摘む20日ほど前に
よしずでおおい、日光が当らないようにし新芽の緑がよりあざやかにし、甘味の
あるお茶にする。これを乾燥させたものが「てん茶」で、臼でひいて粉末にしたも
のが「抹茶」だ。抹茶には薄茶と濃茶がある。きれいな緑色が薄茶、やや黒味がか
った緑色が濃茶で原料となる茶葉の違いによる。薄茶は樹齢が若く、濃茶は樹齢
が古木になる若葉を原料としている。
※抹茶の点て方/抹茶1.5gにお湯(70〜80度)60cc・・・薄茶の場合
《お茶の効用》
眠気ざまし、記憶力増進、疲労回復、老化防止、食中毒予防、虫歯予防など
《茶道の源流》
茶道の形式が生まれたのは500年ほど昔の室町時代からで、安土桃山時代に千利休が
今日の茶道の基礎をつくった。
茶道を学ぶことで、歩き方やお辞儀の仕方だけでなく、人との接し方やものごとの考え
方など、いろいろなことがわかってくる、これが茶道の基本なのだ。
表千家流、裏千家流、武者小路千家流の三千家流のほか、藪内流や遠州流、大日本茶道
学会など多くの流派があり、お茶の作法も少しずつ違ってくる。
《歩き方》
茶の湯は、お茶を飲むためだけにあるのではない。
あらゆるところで歩く、すわる、立つ、おじぎをするなど基本動作が必要になってくる。
歩く時は静かに、お辞儀する時は感謝の気持ちを忘れずに・・・
●持ち物/懐紙、ようじ、せんす、ふくさ(使いふくさ)、出しふくさ(表千家流)、
古ぶくさ(裏千家流)、ふくさばさみ
《茶会》
茶の湯では、人を呼んでお茶をさしあげることを「茶会」という。
料理(懐石)を出し、そのあとにお菓子、濃茶、薄茶でもてなすのが、本来の茶会でこれ
を「茶事」と呼んでいる。
茶事の一部分だけを切り離した形式の茶会を「大寄せ茶会」といい、いまでは茶会とい
えばこれを指す。
●懐石料理/濃茶をおいしくいただくための軽い食事。現在は一汁三菜が多い。ごはんと
味噌汁、それに生もの・煮もの・焼きものの三菜。懐石料理とは、お坊さん
が修行の時に、おなかがすいたのを忘れるために、あたたかい石を懐(ふと
ころ)にしのばせたことからなずけられる。
略式茶会で出されるのが点心料理。いろいろな料理を少量ずついろどりよく
盛ったお弁当スタイル。どちらも季節感を大切にしている特徴がある。
〜〜〜〜〜
◆炉(ろ)の点前/11月から4月にかけての茶会は、暖をとりながら湯を沸かす。
小さないろりが炉(ろ)です。炉を使うようになったのは千利休時代からで、
それまでは、一年中風炉を使っていた。
◆風炉(ふろ)の点前/5月から10月の茶会は、炭や電熱器で火を起こし釜をかける。
・釜・風炉/釜百態といわれるほど、かたちがある。風炉材質も、鉄、陶器、板、
唐銅、土風炉(素焼きの上にうるしをぬったもの)など。
・水指/釜に足す水や、茶わんをゆすぐ時に使う水入れ。
・建水(けんすい)/茶わんをゆすいだ湯や水を捨てる器をいう。かたちも、ふえご
(タカのエサを入れたかご)、平(ひら)、合子(ごうす)、棒の先、
鎗のさや(下のすぼったもの)、ひょうたんなど。
・茶わん/形や産地によっていろいろな種類がある。平茶わんは、冷めやすいので
夏向き、筒茶わんは、冷めにくいので冬向きです。
茶わん外郭を胴、腰、高台、内側を上から口づくり、茶きんずり、
茶せんずり、見込み、茶だまりという。
・茶入れ/正式なお茶といえば濃茶。その濃茶を入れる小さな器が茶入れ。
仕服(仕覆)と呼ぶ袋に入っていて、ふたは象牙でできている。その象牙
のフタの裏側には、金紙がはってある。
・薄茶器/薄茶を入れるものを薄茶器(薄器)という。ナツメの実に似た「なつめ」など
いろりろある。上から甲、胴、ちり(足部)、フタかぶせを立ち上がりと
いい、底と蓋裏を見つけという。
・茶せん/抹茶とお湯を混ぜる道具は茶せんだ。一本の竹を50〜100本に割った穂先
をつくる。
・茶きん/茶わんを葺き清めるのに使う麻製のふきんをいう。
・ふたおき/釜の蓋を置いたり、ひしゃくをのせたりに使う。金属製、陶磁器製、
木や竹製がある。竹製には、炉用と風炉用がある。
・ひしゃく/竹でできたもので、湯を汲む。勺部中を合、外を口といい、節、柄、
切止という。炉用は合が大きく、切止の外側がななめに切られている。
風炉用は合が小さく、切止の内側がななめに切られている。
・茶しゃく/茶器から抹茶をすくう道具をいう。これで茶の分量をはかる。
先から露、櫂先、樋、節、おっとり、切止。先部を節上、取っ手を節下。
・菓子器/菓子には、主菓子と干菓子がある。主菓子器は、重箱のような縁高、蓋の
ある食籠、鉢、銘々皿がある。干菓子器は、小さいお盆などがある。
2006.04.07(Wed.)
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